aws運用代行を利用するうえで考えておきたいこと

awsは、ビジネスで必要不可欠となっている企業も多いようですが、運用面で課題を抱えているところもあります。自社に運用のスキルがない、定常的に携われる人材を確保するのが困難といった場合に活用したいのが、aws運用代行サービスです。

こちらでは、aws運用を外部に代行してもらうメリット・デメリットや、どんなサービスを受けられるのかを取り上げます。

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aws運用代行サービスでできることとは

aws運用代行のサービス内容は主に6つに分かれます。一つずつ取り上げて考えてみましょう。#監視aws運用の基本となるサービスが監視です。awsはビジネスに欠かせないツールとなっている企業も多く、24時間365日監視して障害にいち早く気づき、ダウンタイムを最小限に抑えるのに監視が欠かせません。

監視方法としては、監視対象の応答を外部から確認する死活監視や、CPU使用率などを監視する内部監視などがあり、いくつかの監視方法をミックスして実施するのが一般的です。

#通知aws運用中に発生したシステム障害を感知し、それをあらかじめ指定した連絡先に通知することができます。感知できるイベントとしては、障害検知や復旧、復旧失敗などがあります。連絡手段は、メール・電話・オンラインチャットツールなどが選べます。

#自動復旧

監視対象からの応答が一定時間途絶えたなど、障害を検知した際に、自動復旧スクリプトなどを使い、システムの再起動を行うサービスです。早期に復旧できれば、ビジネスへの影響を最低限に抑えられるメリットがあります。

#障害一次対応

awsの障害を検知した際に、あらかじめ決められた手順に基づいて、保守スタッフが一次対応を行うサービスです。一次対応となるケースとしては、プロセスやOSの再起動、OSの切り分け、サーバー再起動などが挙げられます。

こちらのサービスを利用する場合は、事前に手順書などを作っておく必要があります。#設定変更awsは、ビジネス展開などに伴い、設定変更作業が少なくない頻度で発生するので、それらの作業を代行して行うサービスも盛り込まれていることが多いようです。

具体的な設定変更としては、インスタンスの停止・起動・再起動、設定変更、運用に必要な作業、サーバーへのセキュリティパッチ適用などが挙げられます。#技術サポートawsを運用する面で問題やトラブルを抱えることもあり、それらの技術サポートを頼れるサービスもあります。

技術サポートを受けて、コストを削減したり、オペレーションが改善したり、有用なセキュリティ対策ができるなどの効果を上げられることもあります。

aws運用代行を使うメリット

aws運用代行を利用すると、全社員が本業に集中できるメリットがあります。awsを含め、システムを保守・運用していくとなると、それなりの知識や技術を持った社員を置かなければなりません。そのためには、継続的な社員教育が必要ですし、即戦力となる人員確保など、コストも発生します。

その点、aws運用代行を活用すると、システム運用や障害に関する知見や復旧技術を持ったエンジニアが対応してくれるので、ビジネスへの影響時間を最低限に抑えられるほか、安心感も得られます。

aws運用代行を使うデメリット

aws運用代行サービスを使うデメリットの一つが、社内の人材育成が進まないことです。トラブルがあると専門のエンジニアが対応してくれる良さはあるものの、社内でノウハウはたまらず、ちょっとしたことでも運用代行会社に依存し続けなければなりません。

aws運用代行会社の状況によっては、スピーディーな対応が難しい場合もあり、自社サービスを提供できない時間が長くなる可能性もあります。

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awsが提供する運用代行サービスの内容

aws運用代行サービスには、さまざまな会社が参入していますが、awsが公式に展開しているサービスもあります。こちらのサービスを利用する手もありますし、内容を参考にして運用代行会社の選定ができるかもしれません。

aws公式の運用代行サービスの内容と月額料金は以下の通りです。

#ベーシック(無料)

awsアカウント取得で無料で付与されるサポートになります。リソースセンター、サービス状態ダッシュボード、製品FAQ、フォーラム、健全性チェックのサポートが受けられます。#開発者サポート(月額29USDまたはaws使用料の3パーセントのうち、額が大きい方)

ベーシックに加え、営業時間内でのメール問い合わせや、システム障害の12時間以内応答サービスが受けられます。#ビジネスサポート(月額100USDまたは使用料に応じた計算結果のうち、額が大きい方)24時間365日の電話・メール・チャット問い合わせができるほか、システム障害時は12時間以内、本番システムは4時間以内、本番システムダウンは1時間以内の応答が可能です。

加えて、サードパーティ製のソフトウェアサポートもついています。

#エンタープライズサポート(月額15,000USDまたは使用料に応じた計算結果のうち、額が大きい方)ビジネスサポートにプラスして、業務基幹システムがダウンした場合、15分以内に応答してもらえます。コンサルティングやオペレーション評価、aws専門家の手配など、手厚いサポートが受けられます。

aws運用代行先を決めるポイントとは

aws運用代行をアウトソースする際のポイントはいくつかあります。

#対応範囲の妥当性aws運用をどこまでカバーしてもらいたいかが大切になります。自社ビジネスにおけるawsの重要度により変わってくると考えられますが、自社での障害対応が難しい場合は、自動復旧の仕組みの提供があったり、事前に取り決めた手順書による対応が盛り込まれていた方が良いでしょう。

#技術力aws運用代行を依頼する場合は、技術力やノウハウの豊富さを考えて選ぶのがおすすめです。ITインフラに関しての経験の長さや、awsの基盤となるクラウドの知見といったところをポイントにするとよいかもしれません。

#awsの運用実績

awsに関する運用や障害対応などの実績がどれほどあるかを指標に依頼先を決めるのも良い方法です。これまでにどんな障害が多く発生したか、その際の対処法などをヒアリングして、丁寧に回答してくれるかどうかをポイントにできます。

#自社のニーズに合わせてサポート内容をカスタマイズしてくれるたいていのサービスはパッケージ化されていますが、依頼する企業のニーズは十人十色です。提示されたサービスのうち、不要なものを削り、必要なサービスを盛り込める会社であれば、コストパフォーマンスが良い運用代行を実現できます。

#サポート体制が充実している

特にawsの運用を開始した当初は、不安な点や疑問点などが出てくるものです。その点、何でも相談できるサポート体制がある会社であれば、運用面でネックになっている部分を早期に解消したり、最適化を図ることが容易になるはずです。

わからない点を質問して、自社でノウハウをためることもできるかもしれません。

aws運用代行の活用の仕方

aws運用代行サービスは、自社に運用スキルがなかったり、障害対応できるスタッフがいない場合などに活用するとよいでしょう。一方、aws運用代行を利用すると、自社での対応ノウハウが蓄積できないデメリットもあります。

aws運用の実績が豊富で、サポート体制が充実していて、相談しやすいところに依頼すると、トラブル時に早急な対応が期待できるほか、自社のスキルアップにも役立ちます。

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