
awsを運用するときには監視が必要ということはよく知られています。サーバーエンジニアであれば詳細を理解しているかもしれませんが、経営者や現場の管理者は深い専門知識を持っていなくてどのように運用・監視をしていったら良いかわからない場合もあるでしょう。
awsの運用では監視項目を整理して効率化するのが大切なので、詳細を理解しておきましょう。
awsの運用では項目を決めて監視するのが効率的
awsの運用ではサーバー監視をすることでリソースを最大限に活用できるようにしたり、トラブルが発生してサーバーがダウンしたときに速やかに対応したり、トラブルを未然に防いだりすることができます。awsの運用では監視が必要だとわかると、担当するサーバーエンジニアを配置して任せれば良いと考えるかもしれません。
しかし、awsの運用上、監視して対応できる項目はたくさんあります。何を優先しておこなうべきなのかを判断するには、aws上で何をどのような形で稼働させていて、誰がいつどの程度使用しているのかをすべて把握しなければなりません。
ベテランのサーバーエンジニアでもあらゆる項目を監視するのは難しいので、取捨選択をする必要があります。そのため、awsの運用では項目を決めて監視する仕組みを整えるのが効率的です。
awsをどのように使用するのかを決めて、適切な監視項目を選定して対策を進めていくとコストパフォーマンスを最大化できます。そのためには監視できる項目を一通り確認して、重要なものや同じタイプのものを整理するのが大切です。
監視の目的を決めて項目ごとにまとめて対応する仕組みを整備すると効率が上がります。
awsの監視を外部委託するときにはコストパフォーマンスが上がる

awsの監視は外部委託しておこなうことがよくあります。aws上で稼働させるプラットフォームやシステムなどの規模が大きくなると、内製化して完璧な監視をするのが負担になりがちです。また、小規模利用をする場合にも、監視の目的で優秀なサーバーエンジニアを常駐させるのはコストがかさむ原因になります。
そのため、awsの監視は外部委託するケースが多くなってきています。外部委託をするときにはawsの監視項目が整理されていて、必要な項目が明確になっているとコストパフォーマンスが上がります。
委託先の業者によって費用体系には違いがありますが、監視項目数が多くなれば委託費用も高くなるのが一般的です。
監視が必要な項目についても、具体的にどのような基準で運用するのかが明確になっていれば費用が安くて済み、打ち合わせもスムーズに進みます。また、一から委託先に提案してもらうと初期コストが大きくなるのが一般的です。
その後も運用をしながら新しい提案を受ける機会がありますが、提案された内容を取り入れるとコストアップになることが多くなっています。しかし、監視内容を自社で整えて依頼した場合には、そのままのコストを維持して委託を続けることが可能です。
長期的に見てもコストパフォーマンスが高いのが、監視項目を整理して対応策を考えておくことのメリットです。
awsの監視項目として最低限必要なもの
awsの監視項目を整理するときには最低限必要なものをまずはリストアップしましょう。その上で、監視した方が良い項目を別のリストにして、それぞれのリストで挙げられた項目の監視方法を整理して効率の良い方法を導き出すのが合理的です。
awsをどのように利用するとしても不可欠なのは死活監視です。基本的なシステムチェックについても同様で、CloudWatchに標準搭載されているインスタンスのステータスチェックについては常時監視するのが重要と言えます。
また、運用上、何らかの改善をしたい、トラブルが起こった原因を探りたいというときが多いので、ログ監視は全体的におこなっておくことは必須でしょう。また、awsのコストパフォーマンスを上げるにはリソースの監視をして適切に割り振ることが欠かせません。
CPU、ディスク、メモリ、スワップの使用率は最低限監視した方が良いでしょう。この他にもプロセスやポート、Read・Writeのバイト数やキュー数、CPUクレジット消費数などの監視もしておくに越したことはありません。
ただ、この辺りの項目はaws上で何を稼働させているかによって必要性の高さが違います。死活監視としてもコストパフォーマンスの向上を目指す上でも役に立つのは確かですが、取捨選択をして優先度の高い監視項目を先にリストアップしましょう。
優先度の低い項目は別リストにして、必要に応じておこなえるようにするのがおすすめです。
監視項目を整理するときのポイント

監視項目を整理するときにはリストアップされた項目を自動対応可能かどうか、自動対応できる場合には必要な対応は何かで分類するのがポイントです。例えば、死活判定をするping監視ではサーバーダウンと判定された時点で復旧のためのアクションが不可欠になります。
ただ、自動対応で復旧するのは容易ではありません。そのため、サーバーエンジニアにメールやSMSなどでアラートを自動で出し、人海戦術で復旧を試みるのが常套手段です。一方、CPUやメモリなどのリソースについては、一定の条件を満たしたときに配分を変更するといった自動対応のスクリプトを用意することが可能です。
このような自動対応が可能な項目は自動化し、即時対応できるようにするのが大切です。
エンジニアが対応するのを待っていては改善が間に合わず、サーバーダウンにつながるリスクもあります。aws上で稼働させているシステムを安定させるためにも、このような分類をして整理し、監視体制を整えるのが大切です。
整理した後の運用方法も考えるのが大切
今までawsを運用してきた場合には、監視項目を整理した後の運用方法も再考するのが大切です。整理を済ませて監視項目が減ったなら外部委託をしていた部分を内製化できる可能性があります。逆に内部リソースを節約するために、全面的に外部委託をすることもできるでしょう。
監視を自動化すべき項目が明確になり、スクリプトの作成に初期コストをかければ長期的なコストを減らせるとわかる場合もあります。監視項目を整理した時点で今後の運用方法を考え直し、コストパフォーマンスが上がる方法で運用していきましょう。
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awsの監視項目を整理して運用するのが得策
awsの運用では監視が必要ですが、あらゆる項目を監視しながら利用しようとするのは現実的ではありません。aws上で稼働させるシステムの特性に応じて、必要な監視項目を整理して対応していく仕組みを整えましょう。
外部委託をする場合にもコストパフォーマンスが上がるので、awsを導入する段階で明確にしておくのがおすすめです。